ほんの数年前までは、高金利政策によりニュージーランドドル高が進
んだことで、ニュージーランド国内の輸出企業が深刻なダメージを受
けてたのですが、状況は大きく一変しました。
原油価格が暴落したことや、ドル資産の投売りによる影響からニュー
ジーラドドルも文字通り暴落することとなりました。依然として、1ニュ
ージーランドドル=40円台で推移しています。
これまで、NZドルは実態以上に高いといった評価が一般的で、今後
はいつ利下げが実施されることが常に警戒されていました。
そして、それは現実のものととなり、景気悪化にともないニュージー
ランドの金融当局はおよそ5年ぶりに利下げに踏み切りました。
これにより、一気にニュージーランドドル売りが加速することになりま
した。これまで高金利という売り文句で買い需要が高かったわけです
から、こうした現象は当然といえば当然です。
ここへ来て金利上昇にストップがかかったことによって、実際にNZドル
円相場も不安定な状態が続いています。
もし、景気悪化を抑えることができなければ、今後も利下げが継続的に
行われる可能性が高いです。そして、さらなる急落のおそれもあります。
現状から見て、1NZドル=30円台をきることは考えにくいですが、下落
トレンドとなれば、これまでのロングポジションの転換、売買スタンスを
切り替えることが必要となるでしょう。
ファンダメンタルズ的にはNZドル・円は弱気にありますので、今後のNZ
ドル円相場が安定する鍵は金融危機の解消だけでなく、ニュージーラン
ドと日本の両国の金融政策にかかっているといってもよいかと思います。
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