過去10年間におけるニュージーランドドルの動きを見ると、ごく短い
期間を除き対米ドルで0.5ドルを下回ったことはありませんでした。
しかし、ユーロ安が急速に進んだ2000年秋には0.4割を割り込ん
でしまったため、ニュージーランドドル・円も43円台までの円高・NZ
ドル安となり、今当時の状況が再び再現されようとしています。
この時は常に指摘されているニュージーランドの経済の基礎的条件
の悪化が特に顕在化したわけではありませんでした。
そして、2001年の大規模同時多発テロ事件直後に、投機筋により、
ニュージーランドドルを大量に売られたのです。
この結果、相場全体を大きく揺れ動かす展開を意図的に創り出した
為、ニュージーランドドル・円相場も円高に大きく傾くこととなりました。
これを危惧した日本政府と日銀によって行われた大規模な円売り介入
が断続的に行われ、ニュージーランドドル・円は反発したのです。
9.11以降ニュージーランド準備銀行は2度の金利引き下げにより各国
の中央銀行と協調する形で実施しました。
2002年に入ると数度に渡り、ニュージーランド準備銀行は政策金利を
合計で1%引き上げましたが、2003年にはSARSやイラク戦争勃発に
より再び利下げを余儀なくされ、5.75%から5%まで引き下げました。
対円相場では日本政府・日銀によって円売りが継続されたことが功を
奏し、2003年の利下げ後もNZドドル相場は堅調に推移しました。
その後もニュージーランド中央銀行は雇用情勢などを考慮して利上げ
を行ったのですが、それを押させつけるように米国金利の先高観にニュ
ージーランドドルは押される展開となってしまいました。
この背景にはアメリカとニュージーランドとの金利差が縮小すると見ら
れたことと合わせてオーストラリアドル安の影響をモロに受けてしまい
ました。また、日銀による円売り介入がストップしたことも響きました。
今回も、同じような状況が繰り返され、前回よりも長引きそうですので、
それに合わせてポジションを取る必要がありそうです。
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