米国の金融緩和政策が継続して行われることとなりました。60兆円規模の量的緩和を行う
こととなり、大量にドルが出回ることからドルの価値が継続して下がることになります。
このためニュージーランドドルも相対的に高くなっています。自国通貨が安い状態にあれば
有利に輸出を展開することができるのですが、厳しい状況に追い込まれそうです。
米国の金融当局は建前上「通貨戦争のような状況は良くない」としながらも、大規模な量的
緩和を平然と実施するわけですから空いた口が塞がりません。
米国は高止まりしている失業率を改善させるために輸出を活発化させる方向へ導いている
わけですが、米国のような巨大市場を抱える国がこういった状態になると大変です。
無理やり世界中の国々が物を売りつけられる格好となるからです。通貨安を武器に強引に
推し進めていくことができます。そうなるとニュージーランドのような国は大変です。
輸出に頼る比率が大きい国が否応なしに輸出を削られることになります。「対中国との貿易
があるから大丈夫じゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、米ドルと固定相場(ドル安になると
人民元を刷って相場を安定させる)にある人民元
は連動して通貨安の状態になりますので必然的に輸入コストが上昇します。
世界経済が悪化している状況下ではいくら通貨安を維持できたからといっても引き受け先
が減少しているわけですから、これまでのような経済成長は期待できません。
しかも、景気が悪化している中で物価が上昇するわけですから中国は大変なんです。
このためニュージーランドは対中貿易でこれまでのような恩恵を受けられなくなります。
そうなるとニュージーランド経済は悪夢のような1980年代のような状況に追い込まれる
可能性すらありますので、今後も長期投資は控えるべきです。
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